サーバ仮想化の検証環境が欲しくてキューブPCを組んだお話(後編)

後編では、中編で作成したVMware vsphere Hypervisor上のVMに各種OSをインストールし、動作確認を実施してみます。

今回インストールするOSは、CentOS 6.3とUbuntu 12.04、およびWindows 8 Enterprise RTMの90日評価版の3種類です。

 

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無償の仮想化基盤であるVMware vsphere Hypervisor 5を導入し、各種OSのインストール準備と、インストール先となるVMの作成を実施します。

 

 

作成したVMにLinuxをインストールする

まずはLinuxのUbuntuからインストールしてみます。

今回はISOファイルからインストールするため、VM上でDVDドライブを指定します。

作成したVMを右クリックすると出てくる「設定の編集」を選択し、仮想マシンのプロパティを開きます。

DVDドライブを選択し、データストアISOファイルのラジオボタンをクリック後、ISOファイルを選択します。同時に、パワーオン時に接続をチェックしておきます。

これでVM起動時にインストール用のISOファイルが読み込まれますので、VMを選択し、パワーオンを実行します。

「Ubuntuをインストール」を選択し、インストールを実行します。

インストール先の選択です。ちゃんと20GB見えていますね。

しばらくすると、無事インストールが完了しました。

起動も問題無し。

 

同じようにもうひとつVMを作成し、今度はCentOSをインストールします。

こちらも問題無くインストールが完了しました。

 

 

Windows 8のインストールがうまくいかない!

最後にWindows 8をインストールします。VMの作成方法はLinuxの時と大差無いので、さくっと作成しておきます。ちなみに、既にESXi 5.0ではゲストOSにWindows 8を選択できるようになっていました。

さて、Windows 8についてもISOファイルからインストールを実施します。

やり方はLinuxをインストールした時と変わらないです。仮想マシンのプロパティを開いて、CD/DVDドライブからデータストア上に展開済みのWindows 8 ISOファイルを指定し、パワーオン時に接続へチェックを入れます。

この状態でパワーオンを実行すると・・・おお、なんか始まったようです。

セットアップが始まりました。

ライセンス条項に同意します。評価版ソフトウェアって事で、ライセンス情報を入力する画面は表示されませんでした。

ファイルのコピーがはじまりました。あとはPCが数回再起動するのを見守りながら、終わるのを待つだけですね。

ところが、インストール中に発生する一度目のPC再起動後、異変が起こりました。再起動後、いつまで待ってもインストールが続行されません。

CPUやメモリの割り当て条件を変更してVM作成からやりなおしても、やはり状況は変わりませんでした。

 

 

ESXiのパッチを適用する

いろいろ調べてみたところ、今回インストールしたESXi 5.0 Update1は「Build 623860」というもので、2012年9月頭の時点でパッチが4つ出ていました。

どうやら「ゲストOSの自動起動が出来ない不具合」というのが解消されているらしく、今回の件に関係あるかもしれません。

 

こちらのページからESXi 5.0.0でパッチを検索してダウンロードします。

Build 623860に適用可能なパッチは、以下の4つです。

  • ESXi500-201204001
  • ESXi500-201205001
  • ESXi500-201206001
  • ESXi500-201207001

ダウンロードしたパッチファイルは、ESXiのデータストアにアップしておきます。

 

パッチ適用についてググってみたところ、以下のような手順で実施するようです。

  1. 全VMを停止し、ESXiをメンテナンスモードに切り替える。
  2. 構成タブのセキュリティプロファイルから、SSH接続を有効にする。
  3. TeraTerm等のターミナルソフトで、ESXiにSSHで接続する。
  4. パッチを適用するコマンドを実行する。パッチ適用後は、ESXiを再起動する。
  5. ESXiのメンテナンスモードを終了する。

 

無事4つのパッチを適用して、最新ビルドである「Build 768111」になりました。適用手順については、こちらのWebページが非常に参考になりました。

 

 

Windows 8を再度インストールしてみる

ESXiのビルドバージョンも最新になったということで、Windows 8のインストールを再開します。

今度は無事にVM上のPC再起動後もインストールが継続されました。ホストOSの自動起動が出来ないという不具合が原因だったようですね。

おお、なんだかそれっぽくなってきましたよ。今度のWindowsは、色のテーマをお好みで選択できるんですね。

設定方法の選択画面です。私は「自分で設定する」を選択してみましたが、ほとんどデフォルトの設定項目を選択したので、簡単設定でも良かったかもしれません。

インストール待ちの間、基本操作のチュートリアルが流れます。

アプリをインストールしています・・・なんかWindowsでアプリって表現は新鮮な感じがしませんか?

その後、Windows Liveアカウントでログインして・・・スタート画面きましたー!

デスクトップ画面はこんな感じ。右下にWindows 8 Enterprise評価版の記載がありますね。

Windows 8を再起動してみました。起動完了後の画面はこんな感じです。今日は9月9日ですので、一週間記事にせずほったらかしていたのがバレバレですね。

 

 

とりあえず当初の目的は達成しました

これで、CentOS 6.3とUbuntu 12.04、およびWindows 8 Enterprise RTMの90日評価版をVM上にインストールするという、当初の目的は達成できました。

こんな感じで、3つのOSを同時に起動する事もできます。負荷をかけたりの確認はしていませんが、とりあえず動かすには問題なさそうです。

 

ESXiの問題ですんなり完了とはなりませんでしたが、ハマったおかげでESXiのパッチ適用方法なんかを学べたので、学習目的の私にとって結果的には良かったかもしれません。

仮想化環境を構築する場合、ハイパーバイザのドライバとマザーボードの相性でうまくいかない場合もあるようですが、今回揃えた製品とVMware vSphere Hypervisor 5の組み合わせでは問題無く動作する事が確認できました。

省スペースかつ低予算で仮想化の検証環境が欲しい方は、検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

 


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