サーバ仮想化の検証環境が欲しくてキューブPCを組んだお話(後編)
2012年9月9日 | デジモノ
後編では、中編で作成したVMware vsphere Hypervisor上のVMに各種OSをインストールし、動作確認を実施してみます。
今回インストールするOSは、CentOS 6.3とUbuntu 12.04、およびWindows 8 Enterprise RTMの90日評価版の3種類です。
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無償の仮想化基盤であるVMware vsphere Hypervisor 5を導入し、各種OSのインストール準備と、インストール先となるVMの作成を実施します。
作成したVMにLinuxをインストールする
まずはLinuxのUbuntuからインストールしてみます。
今回はISOファイルからインストールするため、VM上でDVDドライブを指定します。
作成したVMを右クリックすると出てくる「設定の編集」を選択し、仮想マシンのプロパティを開きます。
DVDドライブを選択し、データストアISOファイルのラジオボタンをクリック後、ISOファイルを選択します。同時に、パワーオン時に接続をチェックしておきます。
これでVM起動時にインストール用のISOファイルが読み込まれますので、VMを選択し、パワーオンを実行します。
「Ubuntuをインストール」を選択し、インストールを実行します。
インストール先の選択です。ちゃんと20GB見えていますね。
しばらくすると、無事インストールが完了しました。
起動も問題無し。
同じようにもうひとつVMを作成し、今度はCentOSをインストールします。
こちらも問題無くインストールが完了しました。
Windows 8のインストールがうまくいかない!
最後にWindows 8をインストールします。VMの作成方法はLinuxの時と大差無いので、さくっと作成しておきます。ちなみに、既にESXi 5.0ではゲストOSにWindows 8を選択できるようになっていました。
さて、Windows 8についてもISOファイルからインストールを実施します。
やり方はLinuxをインストールした時と変わらないです。仮想マシンのプロパティを開いて、CD/DVDドライブからデータストア上に展開済みのWindows 8 ISOファイルを指定し、パワーオン時に接続へチェックを入れます。
この状態でパワーオンを実行すると・・・おお、なんか始まったようです。
セットアップが始まりました。
ライセンス条項に同意します。評価版ソフトウェアって事で、ライセンス情報を入力する画面は表示されませんでした。
ファイルのコピーがはじまりました。あとはPCが数回再起動するのを見守りながら、終わるのを待つだけですね。
ところが、インストール中に発生する一度目のPC再起動後、異変が起こりました。再起動後、いつまで待ってもインストールが続行されません。
CPUやメモリの割り当て条件を変更してVM作成からやりなおしても、やはり状況は変わりませんでした。
ESXiのパッチを適用する
いろいろ調べてみたところ、今回インストールしたESXi 5.0 Update1は「Build 623860」というもので、2012年9月頭の時点でパッチが4つ出ていました。
どうやら「ゲストOSの自動起動が出来ない不具合」というのが解消されているらしく、今回の件に関係あるかもしれません。
こちらのページからESXi 5.0.0でパッチを検索してダウンロードします。
Build 623860に適用可能なパッチは、以下の4つです。
- ESXi500-201204001
- ESXi500-201205001
- ESXi500-201206001
- ESXi500-201207001
ダウンロードしたパッチファイルは、ESXiのデータストアにアップしておきます。
パッチ適用についてググってみたところ、以下のような手順で実施するようです。
- 全VMを停止し、ESXiをメンテナンスモードに切り替える。
- 構成タブのセキュリティプロファイルから、SSH接続を有効にする。
- TeraTerm等のターミナルソフトで、ESXiにSSHで接続する。
- パッチを適用するコマンドを実行する。パッチ適用後は、ESXiを再起動する。
- ESXiのメンテナンスモードを終了する。
無事4つのパッチを適用して、最新ビルドである「Build 768111」になりました。適用手順については、こちらのWebページが非常に参考になりました。
Windows 8を再度インストールしてみる
ESXiのビルドバージョンも最新になったということで、Windows 8のインストールを再開します。
今度は無事にVM上のPC再起動後もインストールが継続されました。ホストOSの自動起動が出来ないという不具合が原因だったようですね。
おお、なんだかそれっぽくなってきましたよ。今度のWindowsは、色のテーマをお好みで選択できるんですね。
設定方法の選択画面です。私は「自分で設定する」を選択してみましたが、ほとんどデフォルトの設定項目を選択したので、簡単設定でも良かったかもしれません。
インストール待ちの間、基本操作のチュートリアルが流れます。
アプリをインストールしています・・・なんかWindowsでアプリって表現は新鮮な感じがしませんか?
その後、Windows Liveアカウントでログインして・・・スタート画面きましたー!
デスクトップ画面はこんな感じ。右下にWindows 8 Enterprise評価版の記載がありますね。
Windows 8を再起動してみました。起動完了後の画面はこんな感じです。今日は9月9日ですので、一週間記事にせずほったらかしていたのがバレバレですね。
とりあえず当初の目的は達成しました
これで、CentOS 6.3とUbuntu 12.04、およびWindows 8 Enterprise RTMの90日評価版をVM上にインストールするという、当初の目的は達成できました。
こんな感じで、3つのOSを同時に起動する事もできます。負荷をかけたりの確認はしていませんが、とりあえず動かすには問題なさそうです。
ESXiの問題ですんなり完了とはなりませんでしたが、ハマったおかげでESXiのパッチ適用方法なんかを学べたので、学習目的の私にとって結果的には良かったかもしれません。
仮想化環境を構築する場合、ハイパーバイザのドライバとマザーボードの相性でうまくいかない場合もあるようですが、今回揃えた製品とVMware vSphere Hypervisor 5の組み合わせでは問題無く動作する事が確認できました。
省スペースかつ低予算で仮想化の検証環境が欲しい方は、検討してみてはいかがでしょうか。