サーバ仮想化の検証環境が欲しくてキューブPCを組んだお話(中編)
2012年9月6日 | デジモノ
前編では、なるべく省スペースかつ低予算で仮想化環境を導入するため、パーツの検討と購入を実施し、キューブ型PCを組み上げました。
今回の記事(中編)では、VMware vSphere Hypervisor 5による仮想化環境の構築を実施します。
最後に後編で、動作確認としてCentOS 6.3とUbuntu 12.04、およびWindows 8 Enterprise RTMの90日評価版をVM上にインストールしてみます。
当初の予定よりもボリュームが大きくなってしまい、まさかの三部作ですよ。
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・サーバ仮想化の検証環境が欲しくてキューブPCを組んだお話(前編)
省スペース、低予算で仮想化対応のキューブPCを組み上げています。
・サーバ仮想化の検証環境が欲しくてキューブPCを組んだお話(後編)
CentOS 6.3とUbuntu 12.04、およびWindows 8 Enterprise RTMの90日評価版をVM上にインストールして動作確認します。
VMware vSphere Hypervisor 5を準備する
ハイパーバイザの機能を使用するだけであれば、VMware vSphere Hypervisor 5というのが無償で利用できます。
VMwareのWebサイトからユーザ登録を済ませると、無償ライセンスキーが発行され、ハイパーバイザのESXi 5.0と、その管理コンソールであるvSphere Clientをダウンロードして使用する事が可能になります。
このページからダウンロードを選択します。
ユーザ登録が完了すると、無償ライセンスキーの発行と共に、ESXi 5.0、VMware ToolsおよびvSphere Clientのダウンロードが可能になります。
ハイパーバイザのESXi 5.0は、今回組み上げたキューブPCにインストールする必要があります。今回はDVDドライブからインストールするため、ダウンロードしたISOイメージからインストール用のDVDを作成しておきます。
ついでなので、CentOS、Ubuntu、Windows 8もDVDに焼いておきました。
ハイパーバイザ ESXi 5.0をインストール
さっそくPCにモニター、キーボードおよびDVDドライブを接続して、ESXiのインストールを開始します。
ESXiのDVDを入れたDVDドライブから起動すると、インストーラが動き出します。
お、なにやらインストール始まった模様。
ちゃんとCPUとメモリも認識できてますね。
その後、インストール開始の確認やライセンスの同意を求められますので、Continueを選択していきます。
で、今回インストールするディスクを選択します。以前の記事でLink Stationからひっこ抜いたやつですね。
選択したHDDが消えるけどいい?使用するキーボードのレイアウトは?rootパスワードはどうする?などといろいろ聞かれますが、都度それっぽい回答をしていくと、インストールが完了し、PCがリブートされます。
で、ESXiが立ち上がりましたー。
とりあえずネットワークに接続できないと意味無いので、Configure Management NetworkメニューでIPアドレスの設定ぐらいを済ませておきましょう。
私の家のローカルネットワークは「192.168.1.0/24」ですので、DHCP払い出し範囲外の192.168.1.50とでもしておきました。
これで、ESXiのインストールは完了です。次にESXiを操作するために別のWindows PCにvSphere Clientをインストールします。
vSphere Clientをインストール
ESXiの管理コンソールであるvSphere Clientは、Windows PC上で動くアプリですので、今回はうちのメインPC(Windows 7 ultimate)上にインストールします。
インストールといっても、予めダウンロードしてあったインストーラのexeファイルを実行するだけです。 こんな感じでインストーラが起動します。
特に悩むような選択肢も無く惰性で進めていくとインストールが完了し、起動画面になります。ここで、さきほどESXiに割り当てたIPアドレスとユーザ名(ここではroot)およびパスワードを入力して、ESXiに接続します。
ESXiに接続できました。
OSインストールの準備と、VMの作成。
vSphereではISOイメージからのインストールが可能なため、各OSのISOファイルをデータストアにアップロードします。OSインストール用のDVDを作成していましたが、ISOファイルからの方が速そうなので、こちらで実施する事にしました。
構成タブ内の「ストレージ」を選択すると、データストアが表示されます。
ISOファイルをアップロードするデータストア上で右クリックし「データストアの参照」を選択すると、データストア ブラウザが起動します。
このブラウザ上の赤丸で囲ったアイコンをクリックすると、ファイルをアップロードできます。ここでは、今回インストールするCent OS、ubuntuおよびWindows 8のISOファイルをアップロードしました。
ISOファイルの準備が出来ましたので、次にOSインストール先となるVMを作成します。
いろんなメニューから新規VMの作成が可能ですが、ここでは「はじめに」タブから「新規仮想マシンの作成」を選択します。
ubuntuからインストールしてみます。仮想マシンの構成を聞かれます。ここではいろんな設定項目を見ていきたいので、カスタムで構成しましょうか。
仮想マシンの名前は「ubuntu_01」としました。
ストレージを選択します。ここではdatastore1を選択しています。
ESXi 5.0で実行するため、仮想マシンのバージョンは8を選択します。
ゲストOSの種類は、今回インストールするUbuntu Linux(64ビット)を選択しています。
仮想マシンの仮想CPU数を選択します。今回使用したCPUは、Celeron G540ですので2コアまでしか選択できません。とりあえず、ここでは1コアとしておきます。
VMに割り当てるメモリサイズを指定します。ここでは1GBを割り当てています。
仮想NICの数を指定します。ここではとりあえず1つにしてみます。いろいろ遊んでみたくなったら、後から仮想NICの数を増やしてみようと思います。
SCSIコントローラは、デフォルトで表示されたものを選択しておきます。
新しくVMを作成していますので、「新規仮想ディスクを作成」を選択します。
ディスク容量は20GB割り当てました。ここはお好みですね。
最後に詳細オプションですが、通常変更する必要がありませんという事なので、そのままにしておきます。
これでOSをインストールするための器となる仮想マシン(VM)の作成が完了しました。
後編では、ISOファイルから各種OSのインストールを実行し、動作確認を実施します。